各所で既報だが、Netscape ブランドとしてリリースされる UA がついに開発終了となる。マトモに利用したことがある Netscape の稚児は Mozilla 0.9 系からだったので、ある意味 Netscape 4 の呪縛には殆ど囚われていなかったし、Netscape ブランドには正直魅力を感じていなかった。とはいえ、今の Mozilla Firefox からみれば歴史上の祖先(コードは別)にあたる。びっくりしたことに変わりはない。
もずはっく日記に簡単な年表が掲載されているが、これを見ると私が本格的に WWW というインフラに触れる前、つまり西暦2000年頃には既に衰退していたことが見てとれる。それでも学校のコンピュータ演習室に入っていた Vine Linux にはまだ Netscape 4.x シリーズが標準搭載されていた。後に Mozilla Suite になったが。全く触ったことがないわけではない、という具合。
Eric S. Raymond の「伽藍とバザール」がきっかけとなり、オープンソース化への道を辿った Netscape。その集大成といえる Gecko が Acid2 を通過するようになった今、ひとつの時代が幕を降ろそうとしている。
休日を利用して一気読み。途中が少々冗長だし、ヴィジョンも使い古されたものだったりするのだが、しっかりエンタテインメントとして成立させているバランスは巧み。カウルの正体、2転3転する真相なども読み応え十分。安易なラヴもあるが、成立させずに寸止めしているのはもしかしたら日本人好みかもしれない。
とは書きつつも、それほどネガティブな気持ちにはなっていない今日この頃。何というか、そういうイベント(日本では)で一喜一憂しなくなってからどれ程の年月が経っただろう?
閑話休題。どっかでも書いたが、この季節になると決まって脳内に浮かぶのが「大きなのっぽの古 PG」(ニコニコ動画)という曲。「うた」と呼ばれるものに興味が持てない私であるが、この替え歌には心揺さぶられるものがある。学生時代、あるプログラムを作成しなければならなかったのに残り一週間しかなかった時期があった(評価に影響)。その時この曲をうっかり聴いてしまったのだ……。その時どうなったかは想像にお任せする[1]。
当時ネット上で流通していたのは、平○堅が歌っていたバージョン。某 J○SRAC からの圧力でそのバージョンは姿を消し、今存在するのは先に掲載したリンク先にあるオルゴールバージョンである。楽譜の著作権は既に切れているものを利用しているため問題はない。MIDI は職人作。
……これ、誰か初音ミクか鏡音リン・レンでも使ってフルバージョンにしてもらえないものだろうか。今のところ、少なくともニコ動には無いようなので。
原題("First Blood")、邦題、映画版タイトル(「ランボー」)が全て異なるというのを初めて知った。因みにまだ映画は観たことがない。今度レンタルしてこよう。
第一部はかなり退屈な代物だが、第二部直前あたりからヒートアップしてくる。そして最後まで一気読みしてしまった。正直なところ、ランボーの心理描写が情景描写に隠れてしまったり、ティールズの狂気がわざとらしい感じがしたりしたが、それはそれ。純粋に二人の対決を楽しめばよいのである。
この度、めでたく復刊した(版元品切だった)のでここぞとばかりに買ってしまった。他に、ヴォネガットの作品も復刊していたりするのだが、それは今度の給料が出てから。久々にいつも行く本屋のうちの片割れに寄ったらあるわあるわ。欲しいものが。しかし財布の中身と相談して、数冊に留めておいた。意外と執筆頻度が業界並で安心した『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん3 死の謎は生』(入間人間 電撃文庫)もあったし。12月はアレもあるし、出費がかさむ。
ついにやってきた! 待望のコレクターズ・エディション。これまでに「最終版」しか観たことがなかった若輩としては、非常に嬉しい逸品。早速、完全なる最終バージョンである「ファイナル・カット」を観た。全編に渡りリマスターされ、各種の矛盾も解消されている素晴しい出来栄え。基本的には「最終版」を踏襲し、所々でリドリー・スコットが不満だったと思しき点が修正されている感じ。例えば、「最終版」でもそのままだった、最後のハトシーン背景もきちんと都市背景のものにされていた。ユニコーン・シーンに BGM だけでなく効果音も入っていたり。ロイのセリフがきちんと father
になるよう調整(再録?)されていたり。色々と充実した休日になった。
特典映像も非常に盛り沢山。まだ全部のディスクを観きれていないが、それでも Disc 2 の "Dangerous Days: Making Blade Runner" は完全に観終えた。かなりの力作(約25分のコンテンツが8本)に仕上がっている。既に死亡したキャストを除き、現在存命している出演者へのインタビューもあり、なかなかどうして見応えがある。ディックの娘まで登場してくるのだからびっくりだ(「スキャナー・ダークリー」DVD にも出演してたな……)。リドリーとスタッフの確執、スケジュール遅延、その他諸々の裏事情もそこそこ明らかになっている。まあ本当にヤバい部分だけはカットしていると思うけれども。
今は Disc 5 の "Workprint" を観ようとしているところ。まだまだコンテンツは沢山ある。休日中に全部観てやるぞ。
しかし、米国版では Blue-Ray と HD-DVD 版が出ているのに、どうして日本では出ないのだ! そこだけが非常に悔やしい。金をためたら Blue-Ray / HD-DVD のどちらかも買ってやる。絶対に。
表題の通り、Moziila Firefox 3 Beta 2 がリリースされた。Beta なのでテスト用であることは言うまでもないだろう。一般ユーザは利用するべきではない。
タブまわりのスタイルがかなりグチャっているのは、少し前の Nightly から入った現象。おそらく、Piro 氏が指摘したタブまわりの仕様変更が元に戻されたからではないかと思う。ぼかして書いているのは私自身が検証していないため。
少し前から普段使いの UA を Gecko 1.9 系列にチェンジして(先程までは Nightly)テスト中だが、まだまだ未完成という感じ。対応している拡張もマイナーどころになるとあまりないので、extensions.disabledObsolete
を true
にして無理矢理利用。Bookmark まわりが Places になった影響で Sage++ が全く利用できないので、諸々の不満はあるが Brief を使っている昨今。
Drosera は Safari インタフェイスが利用している WebKit コンポーネントに自身をフックすることで利用可能となる JavaScript デバッガ。こいつは知らなんだ。早速使ってみようとしたが、思わぬ関門に出くわす羽目になった。
実はこの Drosera、Mac OS X 用の Nightly には含まれている。Windows 版も動作はするらしい。しかし、まだ Windows 版の Nightly には同梱されていない上に、利用したいならば自力でビルドするしかないようだ。
次に引用したのは、プロジェクトページにあった該当記述である(強調引用者)。
Most of Drosera has been ported to windows and can now run and attach to a Safari on Windows instance. Drosera is not currently in a nightly and will need to be built from the source.
仕方がないので、WebKit もろとも自力でビルドしてみることに。日本語の情報としては「WebKitビルドガイド(ドザー用)」が、本家の情報としては「The WebKit Open Source Project - Installing the Developer Tools」が詳しい。……まずは環境構築からだなぁ。まあぼちぼちやりまっせ。
本当は劇場版「空の境界」(第一章 俯瞰風景)をテアトル新宿まで観にいく予定だったが、席が空いてなかったのでパス。仕方ないので月曜(レイトショー、22時開始)の前売りチケットを取った。まあ席とれたからいいか。
CSS いじったりゲームしたり惰眠を貪ったりしただけの、呑気な一日だった。
ついに完結『刀語』。……最後の最後でその展開を持ってくるあたり、流石「西尾維新」だなーと。もういい意味で読者の期待を裏切る。オチが少々貧弱なのは痛かったが、十二箇月連続刊行という無茶苦茶なスケジュールからしてみれば、破綻していないだけでも凄いというもの。増してやきちんとエンタテインメントにしているところが憎い。
次はどんな作品を出してくることやら。今から楽しみだ。
caption
の margin
が変わった (Bug 297676)ずいぶんと久しぶりにここに書いてる気がする……。まあいいや。今日は新しく .figure
なるクラスを書いていたときに出てきた Gecko のバグ話。
結論からいえば、Gecko[1] では caption
要素の margin
レンダリングが CSS 2 仕様のままである。display:table-caption
の要素が、table
の要素の子要素である場合も同様である。
わかりやすいテストケースが Bugzilla の該当バグに挙がっていた。Table 1 が通常の caption
要素によるマークアップ。Gecko を用いた UA で閲覧すると、右端が下の table
から飛び出しているのがわかる。CSS 2 ではこの挙動が真であるが、CSS 2.1 では偽である。対して Table 2 は、CSS 2.1 の意図するレンダリング結果を擬似的に示したものだ。table
幅が全ての決定権を持っているのがわかる。Table 2 の挙動は CSS 2 では偽だが、CSS 2.1 では真である。
CSS 2.1 はかなりの仕様を CSS 2 から変えてきたが、その中に表題 (caption) ボックスのレンダリングも含まれていたというわけだ。
CSS 2.1 では、表題ボックスが表ボックスにより生成される匿名ボックスに包含される。
対して CSS 2 では、表題ボックスと表ボックスが別々に匿名ボックスを生成し、表題ボックスの生成した匿名ボックスは表ボックスの生成した匿名ボックスに包含されない。Gecko はこの CSS 2 の仕様に即したレンダリング結果を返す。
因みに Presto (Opera 9.5 & 9.25, Windows) と WebKit (Safari, Nightly Build r28503, Windows) は CSS 2.1 の仕様に即したレンダリング結果を返す。
次に示すのは、CSS 2.1 内における該当記述の拙訳である。訳文の正当性など、情報の精度は全く保証しない(強調訳者)。
視覚フォーマットモデルにおいて、表はブロックレベル要素('display:table' の時)ないしインラインレベル要素('display:inline-table' の時)のように振る舞う。
双方の場合において、表ボックスは、表ボックス自身とあらゆる表題ボックス(文書の要請)を包含する匿名ボックスを生成する。表題ボックスは独自の内容、パディング、マージン、境界領域を保有するブロックレベルボックスであり、通常のブロックとして匿名ボックスの内部に描画される。表題ボックスが表ボックスの前後どちらに位置するかは、以下に記述される 'caption-side' プロパティによって決定される。
(中略)
以前はどうだったかについても記しておこう。次に示すのは、CSS 2 における前述と同じ該当記述である。
視覚フォーマットモデルに関しては、表はブロックレベル要素又は置換される行内レベル要素と同様に振舞う。表には内容、パディング、境界及びマージンがある。
いずれの場合も、表要素は、表ボックス自体及び存在する場合は標題のボックスを包含する匿名ボックスを生成する。表ボックス及び標題ボックスは各々内容、パディング、マージン及び境界の各領域を有し、長方形匿名ボックスの寸法は、両者が収まるのに要する最小限の大きさである。上下マージンは、表ボックス及び標題ボックスが接触するまで縮小される。表を再配置するいかなる場合でも、表ボックスだけではなく、匿名ボックスごと移動しなければならない。これらにより、表に従って標題が移動する。
要は、HTML 4.01 の table
要素とその仲間たちのマークアップに対し、ボックスの配置を直感的にしたといっていいだろう。Gecko には早急に対応してもらいたい問題である。